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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

文のリズムが最重要

とにかくリズムを掴め!

前項に引き続き、繰り返して声を大にして言うが、英会話の習得にとりあえず一番大事なものは、「リズム」である。個々の発音はそのリズムを形作る基礎として非常に重要だが、いくらRやらThやらLやらの発音が完璧にできても、リズムが捉えられなければ意味がない。
 たとえ片言を並べてなんとか意志疎通を図ろうというレベルであっても、まず単語自体を理解してもらえなければどうにもならない。そして単語を理解してもらうのは、発音の正確さではなく、ストレス(リズム)のパターンなのである。聞き取りの基礎としてという意味合いも含め、Thなど日本語にない発音を認識せよと、これまで延々と述べてきたのだが、実はたとえばアメリカでも南部の黒人などはtheをdaと発音していたりして、それでもお互いに通じているのである。が、リズムはそうはいかない。

単語1つ1つにリズムがあるわけで、それが文章になれば当然、複雑なリズムパターンが生まれてくる。さあ、やっと、「発音編」最後にして、最重要ポイントである「文のリズム」にたどり着いた! このリズムパターンに慣れてくると、飛躍的に聞き取り能力もUPするし、英文を覚えるのも格段に楽になってくるのだ。遠回りに思えても、まずは英語のリズムを初心者のうちから身体にたたき込むのが、結局は学習のスピードをUPすることになる。よく、初心者なんだから「カッコいい」発音やリズムで言えなくたっていいじゃないかと思っているらしい人がいるが、むしろ逆で、初心者のときにちゃんとしたリズムや発音を心がけないと、変な癖がついて抜けなくなる

さて、英語の文のリズムの基本をまとめておこう。
1.楽譜で書くなら付点のリズム。ターンタ、タターンタのように、長短の組み合わさったスィングのリズムが英語の基本である。
2.文中では、意味のまとまりの中では、ひとつの単語が前後のものとくっついてしまう。


さて、いつものように実際の練習には、自分でなんらかの適当な音声教材を用意して聞いて真似して言う、ということをしてもらわなければならないが、練習のときに留意することとして、「ある程度大げさ気味にやる」ということがある。自分では真似しているつもりでも、悲しいかな、日本人的リズムはなかなか抜けず、実はたいして長短の差がない読み方になっているのである。ちょっとやりすぎかと思うくらいでちょうどいい場合が多い。
ぜひ、自分の読んだものを録音してみるとよい。自分の声を録音して聞く、というのは相当ハズかしいものだが(自分の思っている声と違って聞こえて、妙な感じである)、我慢する。 自分ではびっくりするかもしれないが、それを毎日聞いている他人は別になんとも思っていないわけであるから。自分の声を恥ずかしがっている場合ではないのである。それよりも、自分が思っていたようなリズムで読めていないことに驚いた方がよいかと思う。
私はこのシリーズのタイトルに、「度胸のない人のための」と銘打っているわけだが、それはつまり、「当たって砕けて」恥をかくのがイヤだなあ、と思っている人は、ひそかにこっそり特訓をしてある程度自信をつけるべし、と考えるからである。人に聞かれてハズカシイよりは、自分でこっそりハズカシイほうがまだマシではないか。
ともあれ、そうやって自分の読むものを客観的にモニターしてみると、いろいろなことが分かる。だいたいの場合、自分でそれなりにやっているつもりでも、全然それらしくないことが多いのだ。しかししばらくそうやってモニターしてみると、自分の「つもり」と「実際」がだんだん歩み寄ってくる。


もちろん英語のネイティブスピーカーもそれなりにいろいろなしゃべり方をしているわけだが、練習に用いるなら、できるだけメリハリのあるしゃべり方をしている人のものを選んだ方がいい。そういう点では、新聞などでしょっちゅう全面広告を出しているあの「イングリッシュ・アドベンチャー」というのも悪くないのではと思う。友人が持っていたのを一度聞いてみたが、お芝居なのでセリフ回しがいちいち印象的なのである。そのほうが真似するのも楽なのだ。だが、お金を出してわざわざそんなものを買わなければいけないワケではなく、なんでもよい、ただ、あまりボソボソしたしゃべりのインタビューなどは避けた方がいいと思う。
とにかく、大げさに、ときには実物よりも大げさになってしまうくらいにリズムを強調して読むべし。

強い部分を強く長~~く

リズムを強調する具体的なコツは、「強いところを強く、長~~く言う」ということである。英語のリズムのイメージは、あたかも、ぴょーん、ぴょーん、とバレエをやっているように(?)飛びながら進む、という感じだと私は思っている。「強く長い」ところは滞空時間であり、「短く弱い」ところは短い着地と次への踏み切りである。だから、強く長いところが十分に強く長い(つまり高く遠く長く飛ぶ)と、着地ー踏み切りにも勢いがつく。

困ったことに、「短く弱い」部分に、日本人の感覚からしたら「たくさんの」語が詰め込まれていたりすることもあり、「こんなにたくさん、どうやって言うんだ!」と茫然とすることもある。

例えば。
I wish I could but I’m afraid I can’t.
という文がある。意味は、なにか楽しいことに誘われた人が「行けたら良かったけれど、あいにく行かれないの」と断るときの決まり文句である。これを自然に読むとこうなる。
 I  wish  I  could    but I’m af raid  I   can’t.

大きい文字のところが強く長く読む部分。
それ以外の部分は短い。長い部分は音符で言えば1拍半(付点音符)、短い部分は半拍(八分音符)というところだ。人によっては、could とcanだけが長く強く、それ以外はみんな短い中に詰め込むように言う人すらいるだろう。

「I 」が短い拍なのはともかくとして but I’m af(raid)も全部詰め込むのかーー! えらいこっちゃ、である。だがそうなのだから仕方がない。

こういうのを上手に言うコツが、「強い箇所を強く長く!」ということなのである。勢いがついて、短いところが不思議なくらいするするっと言える、はずだ(個々の発音がちゃんとできているという前提ではあるが)。

さて、それでは、「どこを強く長く言う」のだろうか。もっとも最初のうちはひたすら、聞いたものをその通りに真似することに注意を集中して欲しいのだが、慣れてくれば初めて見た音声資料のない文でも、ちゃんとしたリズムで読めるようになる。いちいち頭を使って考えているわけではなく、いつのまにか、身に付くものなのだが、あえて理屈を解説しておこうか。
アタリマエ至極であるが、「大事なこと(伝えたいこと)が強く」言われるわけである(その中でも当然、単語のストレスのある部分が強い)。
同じ文章でも使われる状況によっては強い部分が違ってくる。
Nice to meet you.は、最初に言う人は
Nice to meetyou. (またはNice to meet you.)と言うが、それを同じセリフで返す人は
Nice to meetyou.
(あなたに会えたことがナイスなんですよ!=こちらこそ)と言うのである。

例に挙げたI wish I could but I’m afraid I can’t.で、言う人が強調したいのは
wish(~なら良いなあ) could (可能だったとしたら) can稚((でも)行けない)という部分なのである(ちなみに、couldという単語は1語だけで「できたらいいができない」という意味を含んでいる。だからこの文はI wish I could.だけでも成りたつのだ)。
大事なところ、とは、前後を省いてそれだけ言っても意味が通じる部分、ということになる(ここにはリズムだけではなく「イントネーション」という問題も含まれているのだが)。
いずれにせよ、「強いところを強く長く言う」のがしつこく言うが鉄則なのだ。
練習するときは、それをしっかり意識して欲しい。意識するポイントが分かっていると分かっていないでは天地の差があるはずである。

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